「研究活動」カテゴリーアーカイブ

研究室メンバーの卒業

2021年10月18日(月)対人関係心理学研究室のメンバーが以下の卒業論文を提出して、卒業しました。皆さんの門出を心よりお祝いいたします。研究室での卒業研究の取り組みがこれからの歩みに活かされること、健康と活躍を願います。

久保 春奈 (KUBO Haruna)「ネイルの装飾が印象形成に与える影響」

吉田 恵子 (YOSHIDA Satoko)「オンライン面接における就職活動生の自己呈示の検討」

論文掲載・謝罪の非言語的表出

Frontiers in Psychology誌に、謝罪の非言語的表出に関する論文が掲載されました。接客場面における顧客に対する店員の謝罪をテーマに、自分に非がある誠実な謝罪と、自分に非がない道具的謝罪に整理して、非言語行動を検討しました。神戸学院大学の山本恭子先生を筆頭著者とし、本研究室出身の逢坂美希さんの卒業研究を再分析・構成したものになります。

Kyoko Yamamoto, Masanori Kimura, & Miki Osaka (2021).  Sorry, not sorry: Effects of different types of apologies and self-monitoring on non-verbal behaviors.Frontiers in Psychology, doi.org/10.3389/fpsyg.2021.689615.

大阪府消防学校・通信指令研修

2021年7月7日(水)大阪府消防学校にて、泉州南広域消防本部の河合信二氏と一緒に、第148回特別教育通信指令研修の「通信指令教育における心理学の導入」の講義を担当させていただきました。

木村昌紀・河合信二  (2021).  緊急通信の心理学 -通信指令業務教育における心理学の導入-  第148回特別教育通信指令研修 於: 大阪府立消防学校  (7/7/2021).

文部科学省: 科学研究費補助金・基盤研究(C)(分担)採択決定

2021年度から、分担研究者として以下の2件の科学研究費補助金の採択が決定しました。

2021年度~2024年度 「対人感情制御における感情表出の機能的役割の解明」(研究課題番号: 21K02972) 山本恭子(研究代表者)・木村昌紀 文部科学省: 科学研究費補助金・基盤研究(C)

2021年度~2024年度 「中国の在留邦人の文化適応支援に関する心理学的研究」(研究課題番号: 21K02991) 毛 新華(研究代表者)・清水寛之・木村昌紀 文部科学省: 科学研究費補助金・基盤研究(C)

研究室メンバーの卒業

2021年3月18日(木)対人関係心理学研究室のメンバーが以下の卒業論文を提出して、卒業しました。コロナ禍の困難な状況で、ベストを尽くして興味深い研究を行ってくれました。皆さんのこれからの健康と活躍を願っています。

藤井 貴世 (FUJII Kiyo)「白色または黒色の着衣が道徳的な判断に及ぼす影響」

神行 萌香 (KAMIYUKI Moeka)「幼少時の読み聞かせ体験が青年期の読書意欲に及ぼす影響―読み聞かせスタイルからの検討―」

柏木 真結 (KASHIWAGI Mayu)「食品宅配業におけるクレームの実態と効果的な対応方法の検討」

木本 千晶 (KIMOTO Chiaki)「セルフコントロールのトレーニングが先延ばし行動に与える影響―5分前行動に着目して―」

布浦 千聡 (NUNOURA Chisato)「支援的ユーモアが他者のネガティブ感情に及ぼす影響」

島田 ひなの (SHIMADA Hinano)「自尊心が低いと悲しみに寄り添えないのか―親友のSNSでのネガティブ投稿に対する反応の検討―」

白井 希 (SHIRAI Nozomi)「物を整理することで気持ちも整理されるのか-感情と思考に注目して-」

高橋 衣織 (TAKAHASHI Iori)「会社からの論理的な説得と家族からの非論理的な説得ではどちらを受け入れるのか-複数源泉・複数方向の説得状況からの検討-」

谷川 実優 (TANIGAWA Mao)「親密な他者との共食が情動的摂食に及ぼす影響」

矢田 恵梨華 (YADA Erika)「青年期の愛着スタイルが安心さがし行動に及ぼす影響」

第91回 言語・音声理解と対話処理研究会 パネル討論予定

2021年3月2日(火)に、第91回 言語・音声理解と対話処理研究会で、17:45~19:05の時間帯にパネル討論「対話データを用いた研究における文理連携の可能性を探る」で、 片桐 恭弘 先生(はこだて未来大)・ 小磯 花絵 先生(国立国語研究所) ・ 岡田 将吾 先生(北陸先端大) と一緒にパネリストを担当させていただきます。企画・司会は 中野 幹生 先生(SLUD研究会主査,C4A研究所)です。よろしくお願いいたします。

日本社会心理学会・第8回春の方法論セミナー開催予定

2021年3月1日(月)に、日本社会心理学会・第8回春の方法論セミナー「既存データの活用による研究展開-二次分析研究・メタ分析」をウェビナーにて13:00~16:30の時間帯に開催します。 企画は日本社会心理学会学会活動委員会で、講師は国里愛彦先生(専修大学)と浜村 武先生(Curtin University)に担当いただきます。よろしくお願いいたします。

セミナー概要

現在のコロナ禍において感染リスクを避けた上でいかに研究を進めるかは、社会心理学はもちろん、心理学全体にとっても大きな課題となっている。その一つの解決策は、Webを利用したリモートによる調査や実験であり、これは夏のセミナーのテーマで扱った。もう一つの解決策としては、既存の知見やデータの活用による研究展開が考えられる。自身の研究に既存の知見やデータを活用することができれば、時間や金銭、労力のコストを節約できて効率的であるとともに、自らの研究領域の概観・俯瞰や、自身では収集困難なデータによる新たな研究展開にもつながる。

今回の春のセミナーでは、新規にデータを収集しない研究方法として、二次分析研究とメタ分析に注目する。二次分析研究は、既存データを対象にして、既存研究とは異なる、新たな目的や方法を用いて分析することを指す。メタ分析は先行研究の知見を系統的な方法で収集・整理して、それらを統計的に統合する方法である。二次分析研究やメタ分析は、研究法や心理統計の授業や書籍でも詳細に説明されることが少なく、学生はもちろん教員、研究者も十分に理解できていない場合がある。しかし、メタ分析で特定分野の研究知見を俯瞰的に整理することや、二次分析研究で自分自身では収集できないような大規模調査のデータや、他の学問分野のデータを活用することは、コロナ禍における苦肉の策というよりも、研究展開上の大きな魅力があると言えよう。

これらの方法論について、より詳しく学ぶため、今回のセミナーでは講義編と実践紹介編の2部構成を採用する。講義編では、各手法の基礎知識や手順を講師の国里先生から体系的にわかりやすく解説いただきたいと考えている。実践紹介編では、講師の浜村先生から自らの研究経験を踏まえて、当該手法の採用に至った経緯や苦労話、醍醐味、注意すべき点など論文におさまらない内容も含めてお話いただく予定である。

■講義編  国里愛彦 先生(専修大学)

コロナ渦によって、心理学研究の進め方は大きく変化してきている。これまで、多くの心理学研究において新規のデータ収集が行われてきた。しかし、感染拡大の影響により、従来どおりのデータ収集が難しくなってきている。大学・大学院での心理学教育ではデータ収集方法について多くの時間が割かれているが、既存のデータの再解析についてあまり学ぶ機会は多くない。もちろん感染収束によって従来どおりのデータ収集が可能になればよいが、この機会に二次分析研究を行うことは研究方法の幅を広げることにつながるかもしれない。今回のセミナーでは、既存データに対する二次分析研究について取り上げる。二次分析研究にも様々な方法があるが、今回は、既存の個別データに対して再解析を行う研究と、系統的展望研究のように既存の要約統計量に対してメタ分析を行う研究の方法について紹介する。前者については、昨今の再現可能性の問題も考慮した研究実践について説明を行う。後者については、具体的な研究実施のガイドラインなども紹介しつつ、Rを用いた解析も含めた解説を行う。

■実践紹介編  浜村 武 先生(Curtin University)

研究に必要となるデータを取得するためには、実験計画を立て、質問紙の設計を行うというのが一般的な手法だが、データの取り方には他にも様々な方法がある。この講演ではメタ分析と二次分析研究に着目し、社会心理学研究における実践例を論文におさまらない内容も含めて紹介する。

メタ分析:過去の研究結果を体系的かつ定量的に整理を行う手法であり、さまざまな使い方が可能である。例えば研究領域の新たな展開を論ずるためのレビュー、または文献の理解を深めるステップとして行うレビューなどが行える。

二次分析:二次データには研究に使いやすいフォーマットで整備されているもの(例:世論調査)とそうではないものがある。後者の例としては新聞記事、ネット検索、「いいね」などがあり、例えばテキストマイニングの手法を使ったデータの処理が必要となる。二次データを用いる醍醐味は効果的に使うことで従来の手法では難しかった研究テーマが可能となることであるが、その一方でデータの妥当性の確保に苦労する点もある。これらの点を踏まえ、実践的な観点から講演を行う。

日本社会心理学会第61回大会発表

2020年11月、日本社会心理学会第61回大会で富士通研究所との共同研究を発表しました。

木村昌紀・于 珊珊・吉井 章人・村瀬 健太郎・森岡 清訓・若松 祐佳・新里 美海 (2020). 実際の2者間会話における自発的な瞳孔拡張パターンの同期とその影響 日本社会心理学会第61回大会 於: 学習院大学(Web開催) (11/07-08/2020).