論文掲載・化粧や衣服の類似性が対人魅力に及ぼす影響

「容装心理学研究」誌に、原著論文「化粧や衣服の類似性が対人魅力に及ぼす影響」が掲載されました。 本論文の研究 1 は、対人関係心理学研究室卒業生の森末理沙さんの 2013 年度 神戸女学院大学 人間科学部 心理・行動科学科 卒業論文を、研究2は藤井菜穂さんの2017年度同卒業論文を再分析・考察してまとめなおしたものです。多くの方にご覧いただけたらと思います。

木村昌紀・森末理沙・藤井菜穂 (2023).  化粧や衣服の類似性が対人魅力に及ぼす影響 容装心理学研究, 2, 32-43.

【要旨】 類似性魅力は, 対人魅力に関する頑健な現象である。従来の研究は, 主に態度や パーソナリティの類似性に注目してきた。本研究は, 化粧や衣服の類似性が対人魅力に及ぼす影響を実験的に検討した。41名の女性大学生が研究1に参加して, 化粧の類似性が対人魅力を高めることが実験的に示された。研究2では47名の女性大学生が参加し, 衣服の類似性が対人魅力を高めるが, 同じ衣服は似た衣服より魅力を低めることが実験的に示された。一連の結果から, 化粧や衣服の類似性が初対面の人物の魅力を高め, 関係形成を促進することが示唆された。ただし, 同じ衣服は独自性欲求の充足を妨げるため, 類似性魅力理論の予測に反して対人魅力を低める可能性がある。最後に, 本研究の限界と今後の展開について議論した。