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コミュニケーションと対人関係の心理学を研究しています。

大阪府立消防学校・通信指令研修

2024年6月26日(水)、大阪府立消防学校からご依頼をいただき、119番通報を受信する通信指令員を対象に心理学の講義を行いました。大阪府立消防学校で2018年に初めて講師を担当して以来、今回で7回目の講義になります。「通信指令業務教育における心理学の導入」というテーマで、泉州南広域消防本部にご協力いただき、共同で研修を行いました。同消防本部 警防部 指令課の鈴木 剛氏に事例解説とグループワークを担当いただき、木村が心理学の観点から通信指令の講義を担当しました。研修には、大阪府下及び奈良県下で通信指令員として勤務する消防職員25名の皆様に受講いただきました。心理学のメカニズムについて体験的に学ぶ課題や班でのディスカッションも時折設けられ、活発な意見交換や質疑応答もあり、みなさん初めて知る内容に刺激を受けながら終始積極的に参加してくださいました。心理学の知識や考え方が緊急時のコミュニケーションの円滑化につながることを願っております。

論文早期公開「表情表出の強度が判断の正確さに及ぼす影響」

愛知淑徳大学の志水勇之進氏と小川一美先生、國立中正大學の藤原健先生、金沢工業大学の渡邊伸行先生との共著論文がJapanese Psychological Researchで早期公開となりました。表情表出の強度をモーフィングで操作して、感情判断の正確さに及ぼす影響を検討した研究になります。

Yunoshin Shimizu, Kazumi Ogawa, Masanori Kimura, Ken Fujiwara & Nobuyuki Watanabe (2024). The influence of emotional facial expression intensity on decoding accuracy: High intensity does not yield high accuracy. Japanese Psychological Research, https://doi.org/10.1111/jpr.12529.

奈良市消防局・特別研修

2024年6月24日(月)、奈良市消防局で奈良市消防職員と生駒市消防職員の方32名を対象に、心理学の講義を行いました。奈良市と生駒市では2016年4月から奈良市・生駒市高機能消防指令センターの共同運用を行っており、奈良市と生駒市の119番通報はこのセンターで受信されています。

今回、「通信指令の対人関係心理学」というテーマで、119番通報を受信する通信指令員や救急隊員と市民のコミュニケーションについて、心理学の観点から解説しました。受講いただいた奈良市と生駒市の消防職員の皆さんには大変熱心に参加いただき、「参考になった」「今後の活動に役立つと思う」など多くのコメントをいただきました。奈良市や生駒市の市民の皆さんと通信指令員や救急隊員の皆さんとの緊急時のコミュニケーションが円滑に行われることを願っております。

新メンバー11名の研究室配属

2024年度から新たなメンバー11名が本研究室に加わりました。これから一緒に楽しく学び、面白い研究ができたらと思います。よろしくお願いします。

大学院 前期課程

 岡松 初季 (OKAMATSU Hatsuki)

学部

 二見 優花 (FUTAMI Yuka)

 畑田 知里 (HATADA Chisato)

 勝原 唯菜 (KATSUHARA Yuina)

 葛木 杏吏 (KATSUKI Anri)

 宮本 梨央 (MIYAMOTO Rio)

 西野 琴子 (NISHINO Kotoko)

 大賀 悠未 (OGA Yumi)

 渡辺 爽楽 (WATANABE Sora)

 山本 瑚波留 (YAMAMOTO Koharu)

 山本 優萌 (YAMAMOTO Yume)

論文公刊「119 番通報要領の事前知識が迅速性と正確性におよぼす影響」

「社会安全学研究」誌に原著論文「119 番通報要領の事前知識が迅速性と正確性におよぼす影響―模擬通報場面による実験的検討―」が掲載されました。

塩谷尚正先生(梅花女子大学)、北小屋 裕先生(京都橘大学・現所属 NPO 法人 病院前救護と健康管理研究会)、駒谷和範先生(大阪大学 産業科学研究所)との共著論文になります。119番通報の要領を事前に知っておくことが119番通報の迅速性を高めることを模擬通報実験によって検証した研究になります。実験に参加いただいた大学生・大学院生の皆様、模擬通報実験にご協力いただいた泉州南消防組合・泉州南広域消防本部の皆様にあらためて御礼申し上げます。

9名の研究室メンバーの卒業

2024年3月19日(火)9名の研究室メンバーが卒業しました。ユニークな研究に取り組み、頑張ってくれました。新天地でのそれぞれの活躍と健康を心から願っています。

丁ヶ阪 優奈 (CHOGASAKA Yuna)「日本語音声動画の再生速度と視聴回数が学習理解に及ぼす影響 ―オンデマンド授業でどのような視聴方法が効果的か―」

原 日向子 (HARA Hinako)「音楽ライブにおける心理的機能は何か」

橋本 歩佳 (HASHIMOTO Ayuka)「多面的協調性が主観的幸福感に及ぼす影響」

伊藤 望海 (ITO Nozomi)「共感の正確さと動機づけが友人関係の良好さに及ぼす影響」

松本 佳奈 (MATSUMOTO Kana)「自己志向的完全主義と社会的比較が主観的幸福感に及ぼす影響」

三島 彩葉 (MISHIMA Iroha)「店の種類と接客時の距離が店員に対する印象形成に及ぼす影響」

大塚 愛莉 (OTSUKA Airi)「香水が印象形成に及ぼす影響に男女差はあるのか ―親しみやすさの印象と対人魅力について―」

角穴 奈津子 (SUMIANA Natsuko)「女子大学生のラブスタイルと恋愛における消費行動の関連性」

角田 千晶 (SUMITA Chiaki)「相手の年齢と性別が女子大学生のアサーションに及ぼす影響」

神奈川県消防学校・通信指令員研修

2024年2月27日(火)、神奈川県消防学校からご依頼をいただき、研修講師を担当しました。
神奈川県では、音声による119番通報が困難な方が円滑に消防への通報を行える「Net119」を県内全域で導入されています。また、横浜市、川崎市、横須賀市・葉山町消防指令センター、藤沢市、小田原市の通信指令室では、動画の送受信が可能な「Live119」(映像通報システム)が導入されており、他の地域でも導入予定であったり、導入の検討がされています。
神奈川県消防学校では、2022年から119番通報を受信する通信指令員を対象にした特別教育を実施されています。今回が第3期になり、神奈川県下16消防本部・消防局の通信指令員の方25名が参加されました。この通信指令員研修は、通信指令員としての心構えや事例研究、図上訓練やシミュレーションなど多岐に渡る充実した内容になっています。
木村は「通信指令業務教育における心理学の導入」をテーマに、コミュニケーションの心理学や緊急時の心理、119番通報の心理学などについてお話し、最新の映像通報システム(Live119)を用いた模擬通報実験や映像通報システムや♯7119に関するオンライン調査の結果を踏まえて講義を行いました。参加者の通信指令員の皆様には熱心に受講いただき、貴重なご質問やご意見を多数いただきました。