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コミュニケーションと対人関係の心理学を研究しています。

神戸市消防局「司令課研修」

神戸市消防局からのご依頼を受け、2025年12月15日(月)、神戸市役所危機管理センターにおいて、消防職員の方々を対象とした研修の講師を務めました。

本研修は、神戸市消防局警防部司令課の職員の皆さんを対象としたもので、「119番通報―緊急事態のコミュニケーションの心理学―」をテーマに実施されました。参加者は、神戸市内で実際に119番通報の対応にあたっている司令係員の方々です。

研修では、人と人とがやり取りを行う際の心理学の基本的枠組みをはじめ、急病や災害などの緊急事態において人がどのような心理状態におかれるのか、さらに119番通報の場面で市民と司令係員がどのようにコミュニケーションに取り組むことが重要であるのかについて、心理学の視点から最新の研究知見を交えて解説しました。

当日は、司令係員の皆さんが非常に熱心に受講され、研修中や研修後には現場での実践を踏まえた多くの質問や意見が寄せられました。緊急時の通報対応をより良いものにするうえで、心理学の知見が現場で活かされる可能性を改めて実感する機会となりました。

論文早期公開「多様な表出強度の感情判断テスト」

日本心理学会の学術雑誌「Japanese Psychological Research」に共著論文が早期公開されました。

インタビュー掲載「Sport Japan」

インタビュー記事が、日本スポーツ協会が発行しているスポーツ関係者向け情報誌「Sport Japan」2025年11月・12月号に掲載されました。スポーツチーム・組織における複数指導者の事情をテーマにした特集企画で、社会心理学、特にコミュニケーションの心理学の立場からコメントしています。

  • Sport Japan「至極円満?それともバチバチ?どうですか?チーム内複数コーチ事情」2025年11・12月号(vol.82)掲載
    それ、まさにスマートなコミュニケーション法ー下の者、弱い者、新参者……から思い切って口火を切る術ー

秋田県総合防災課「通信指令・口頭指導研修会」

秋田県主催、秋田県消防長会と秋田県メディカルコントロール協議会の後援で、令和7年度 通信指令・口頭指導研修会が秋田県庁の災害対策本部室で開催されました。これは119番通報を受信する消防の通信指令課職員の皆さまを対象に、円滑に対応するためのコミュニケーション能力や、必要に応じた応急手当を助言するための医学的知識などの習得やスキルアップを目指すものです。秋田県総合防災課消防保安室からご依頼をいただき、2025年11月17日(月)に「通信指令コミュニケーションスキル」をテーマに心理学の講義を行いました。研修には、秋田県下13消防本部から通信指令を担当する職員の皆さまに参加いただきました。熱心に受講いただき、たくさんのご質問やご意見をいただくことができました。今回の研修が緊急時のコミュニケーションの円滑化につながることを願っています。

論文公刊「即時的対人感情制御方略」

日本心理学会の学術誌「心理学研究」に即時的対人感情制御方略の論文が掲載・公刊されました。

This study examined the immediate interpersonal emotion regulation and nonverbal behaviors that occur during short-term interactions. In Study 1, participants were asked to recall an experience of immediate interpersonal emotion regulation and asked about the regulation strategies they employed as well as their nonverbal behaviors. Based on factor analysis, six dimensions for emotion regulation strategies were established, labeled as cognitive support, socioemotional support, emotional amplification, attention deployment, hostility/denial, and cheering up. Meanwhile, among the nonverbal behaviors, five factors were extracted: touch, acceptance, rejection/avoidance, emphasis, and suppression/neutralization. Correlation analyses indicated that nonverbal behaviors were expressed in accordance with the intention of each regulation strategy. Study 2 was conducted using the vignette method, and supported the replicability of the key findings of Study 1. In addition, regulation strategies and nonverbal behaviors were found to differ depending on the type of the target’s emotion. In the future, nonverbal behavior should be examined using experimental approaches.

大阪府立消防学校・通信指令研修

2025年7月2日(水)、大阪府立消防学校からご依頼をいただき、大阪府下で119番通報を受信する通信指令員の方を対象に心理学の講義を行いました。
大阪府立消防学校で2018年に初めて講師を担当して以来、今回で8回目の講義になります。「通信指令業務教育における心理学の導入」というテーマで、泉州南広域消防本部にご協力いただき、共同で研修を行いました。同消防本部 警防部指令課の木村 信広氏に事例解説とグループワークを担当いただき、木村が心理学の観点から通信指令の講義を担当しました。泉州南の木村氏は翌日も口頭指導通報者への助言・指導)に関する講師を担当されています。研修には、大阪府下で通信指令員として勤務する消防職員23名の皆様に受講いただきました。心理学のメカニズムについて体験的に学ぶ課題も時折設けられ、最後に活発な意見交換や質疑応答もあり、みなさん終始積極的に参加してくださいました。
アンケートでは、「よく理解できた」「理解できた」との回答が100%、「今後も必要」との回答が87%、「研修を職務に活かせる」との回答が91%で、好意的に評価いただきました。心理学の知識や考え方が緊急時のコミュニケーションの円滑化につながることを願っております。

奈良市・生駒市合同の通信指令指令研修

2025年6月25日(水)、奈良市消防局で奈良市と生駒市合同の通信指令研修の講師を担当しました。

「通信指令の対人関係心理学ー映像通報システムの活用に向けてー」と題して、奈良市と生駒市の消防職員の方34名を対象に研修を行いました。私たちが119番通報をかけた際、電話で対応してくださるのが通信指令業務に従事している消防職員の方です。研修では、119番通報に関する心理学の考え方や知見を紹介しました。特に、奈良市・生駒市消防指令センターでは4月から映像通報システム(Live119)の実証実験を開始されており、関連する研究結果を紹介し、解説しました。

参加いただいた消防職員の皆さんからは「実務に沿った内容で理解しやすかった」「通報者の心理など興味深く聴きました」「今まで以上に通報者の気持ちを理解し、迅速に、正しい情報を聴取するという意識と使命感が湧いてきました」など感想をいただきました。

今回の研修が奈良市や生駒市の緊急時のコミュニケーションの円滑化に少しでもつながればと思います。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

論文公刊「119番通報の社会心理学」

「行動科学」誌に総説論文「119番通報の社会心理学ー市民と通信指令員による緊急事態のコミュニケーションー」が掲載されました。現代社会における119番通報の困難さや、通報者の心理、通信指令員の心理、119番通報の社会的ジレンマ、通報抑制の心理を解説した論文になっています。

木村昌紀 (2025). 119番通報の社会心理学ー市民と通信指令員による緊急事態のコミュニケーションー 行動科学, 63, 93-102.

論文公刊「なぜ緊急時の援助要請を控えるのか」

ヒューマンサイエンス誌に「なぜ緊急時の援助要請を控えるのかー119番通報抑制の実態とその規定因の検討ー」が掲載されました。近年、119番通報が増加傾向にありますが、抑制された通報の実態はよくわかっていません。本研究では、119番通報抑制の実態とその心理的な規定因をオンライン調査によって検討しました。

木村昌紀・塩谷尚正・北小屋裕 (2025). なぜ緊急時の援助要請を控えるのか―119番通報抑制の実態と規定因の検討― ヒューマンサイエンス, 28, 1-9.

【要約】本研究の目的は、119番通報抑制の実態とその規定因を心理学的に検討することである。全国の20代から60代の男女1176名を対象にオンライン調査を実施した。回答者全体の約15%が通報抑制を経験しており、抑制された通報のうち約30%が結果的に必要だった。男性より女性の方が、年長者より若者の方が通報をためらいやすく、相互協調性が通報を抑制する一方、相互独立性が通報を促進していた。援助要請回避型の特徴をもつ人たちほど119番通報も控えやすかった。119番通報の適正利用を求める公的な周知は、必要な緊急通報も抑制してしまう危険性があった。そのため、周知方法には十分な注意を払うべきである。

新メンバー10名の研究室配属

2025年度から新メンバー10名が本研究室に加わりました。これから一緒に楽しく学び、面白い研究ができたらと思います。

  • 有村 佳恵 (ARIMURA Yoshie)
  • 福本 七海 (FUKUMOTO Nanami)
  • 中西 桃香 (NAKANISHI Momoka)
  • 西村 泉美 (NISHIMURA Izumi)
  • 西尾 こなつ (NISHIO Konatsu)
  • 太田 さくら (OTA Sakura)
  • 住友 優花 (SUMITOMO Yuka)
  • 上田 紗綾 (UEDA Saya)
  • 宇佐見 啓子 (USAMI Keiko)
  • 山本 和香奈 (YAMAMOTO Wakana)