「教育活動」カテゴリーアーカイブ

兵庫県消防学校「通信指令科」

兵庫県広域防災センターからご依頼いただき、2023年11月8日(水)に兵庫県消防学校で心理学の講義を行いました。

兵庫県消防学校では通信指令員のための特別教育「通信指令科」を2019年、2021年に実施されており、今回で3度目の担当となります。「通信指令と心理学」というテーマで、コミュニケーションの心理学や緊急時の心理を解説し、通報者の心理調査や、通信指令員の心理調査、事前知識が通報に及ぼす影響の実験研究、映像通報システムの効果検証実験、映像通報システムや救急安心センター事業(♯7119)の認知度調査などの知見を紹介しました。研修会には、兵庫県下で通信指令員として勤務する消防職員の方を中心に、滋賀県・京都府・和歌山県下で通信指令員として勤務する消防職員の方も合わせて45名の方が参加されていました。大変熱心に受講いただき、体験課題などにも取り組んでいただきました。今回の講義が、火災や救急などの緊急時において、通信指令員と住民の皆様との円滑なコミュニケーションにつながることを願っています。

愛媛県消防長会「119番口頭指導技術研修会」講演

愛媛県消防長会からご依頼いただき、2023年11月6日(月)に松山市保健所・消防合同庁舎で心理学の講演を行いました。

愛媛県消防長会では、119番通報を受信する通信指令員が通報者の方から適切に聴取する技術、必要に応じて応急手当を指示する口頭指導の技術を高めることを目的に「119番通報口頭指導技術研修会」を開催されています。また、松山市消防局では今年度4月から映像通報システムを試験的に導入されており、119番通報の際に活用されています。はじめに、松山市消防局の通信指令員の方による映像通報システムを使用した聴取や口頭指導の技術発表がありました。

その後、「通信指令の心理学」というテーマで講演を行いました。コミュニケーションの心理学や、緊急時の心理を解説した後、119番通報に関するこれまでの調査や実験の知見を紹介しました。その中で、昨年度実施した映像通報システムの研究をお話しました。

研修会には、愛媛県内の消防本部で通信指令員として勤務する職員を中心に35名の消防職員が参加されていました。熱心に受講いただき、貴重なご意見やご質問をいただきました。今回の研修会が、愛媛県内の通信指令員と住民の皆様との円滑なコミュニケーションにつながること、映像通報システムの更なる活用につながることを願っています。

豊田市消防本部・研修

愛知県豊田市からご依頼をいただき、2023年10月16日(月)に豊田市消防本部で「119番通報における通報者と通信指令員の円滑なコミュニケーションに向けて」というテーマで研修講師を担当しました。研修には、豊田市消防本部で通信指令員・救急隊員として勤務する消防職員97名の皆様に対面及びオンラインで参加いただきました。大変熱心に受講いただき、貴重なご質問やご意見をいただきました。

研修後、豊田市消防本部の指令室や防災学習センターを見学させていただき、小中学生への応急手当普及のユニークな取組みも教えていただきました。今回の研修が、通信指令員・救急隊員の皆様と豊田市民の皆様との円滑なコミュニケーションにつながることを願っています。

青森県消防学校・通信指令員研修

2023年10月29日(日)、青森県消防学校からご依頼いただき、通信指令員の方を対象にした研修の講師を担当しました。通信指令員は、急病や火災などの緊急時に地域住民の方からの119番通報を受信し、質問や応急処置の助言を行い、救急隊や消防隊を出動させます。今回、青森県消防学校特別教育「災害対応力向上コース」において、「通信指令教育における心理学の導入」と題して、コミュニケーションの心理学、緊急事態の心理、119番通報の心理学的研究知見について、お話させていただきました。今回の研修は、弘前地区消防事務組合消防本部からの提案があり、青森県消防学校主催で実現しました。研修には、弘前消防本部や青森県内各消防本部で通信指令員として勤務される消防職員の方およそ60名にご参加いただき、大変熱心に受講いただきました。今回の研修が、災害や急病、怪我、救助など緊急時において、青森県下の通報者と通信指令員の皆さんとの円滑なコミュニケーションに何か少しでもお役に立つことを願っています。

日本臨床救急医学会総会・学術集会での講演

2023年7月27日(木)~7月29日(土)、日本臨床救急医学会総会・学術集会が帝京大学板橋キャンパスで開催されます。その中で、29日(土)9:00-10:00に教育講演「緊急時に想いを伝えあう-救急活動コミュニケーションの心理学-」を担当させていただきます。

【概要】救急活動に伴うコミュニケーションは、傷病者の命を救うために極めて重要であると同時に困難さもある。その難しさの理由として、傷病者の容体が刻一刻と悪化しうる時間的切迫感、傷病者や家族の経験的乏しさや感情的動揺、会話に加えて状況評価や応急処置を救急隊員が同時並行で行う複数課題状況などが挙げられる。救急隊員による現場活動に至るまでにも、119番通報を受信した通信指令の段階から救急活動のコミュニケーションははじまっている。通信指令では、通信指令員と通報者が物理的に離れた場所で顔の見えない中、声で情報を伝えあう。近年では、リアルタイムで傷病者の動画を送信できる映像通報システムのようなツールも導入されつつある。本講演では、このような救急活動に伴うコミュニケーションを心理学の観点から解説する。はじめに、コミュニケーションの心理学の基本的枠組を紹介する。次に、緊急時の心理や行動の特徴を説明する。その上で、救急活動のコミュニケーションについて、これまでに実施した調査や実験から得られた知見を交えてお話する。

大阪府立消防学校「通信指令研修」講師担当

今年度も大阪府立消防学校からご依頼をいただき、2023年6月28日(水)に第166回特別教育・通信指令研修で講師を担当しました。通信指令研修のうち「通信指令業務教育における心理学の導入」というテーマで、泉州南広域消防本部にご協力いただき、研修を行いました。同消防本部 警防部 指令課の鈴木 剛氏に事例解説とグループワークを担当いただき、木村が心理学の観点から通信指令の講義を担当しました。研修には、大阪府下で通信指令員として勤務する消防職員31名の皆様に受講いただきました。今回の研修が、指令員の皆様と地域住民の皆様との円滑な通信につながることを願っています。

「<よそおい>の心理学」刊行

<よそおい>の心理学」(荒川 歩先生・鈴木公啓先生・木戸彩恵先生 編)が北大路書房から刊行されました。衣服や化粧など、よそおいの心理的機能に注目して執筆された本です。木村は「6章 自他の関係調整ツールとしてのよそおい」を担当しています。衣服や化粧のシグナリング機能や類似性魅力、双子コーデ・お揃いを取りあげ、関係調整ツールとしての衣服や化粧を解説しています。また、言語・非言語行動をよそおいと捉えた際に、それらも関係調整機能を有することを紹介しています。

木村昌紀 (2023). 自他の関係調整ツールとしてのよそおい 荒川歩・鈴木公啓・木戸彩恵(編著) <よそおい>の心理学―サバイブ技法としての身体装飾― 北大路書房. pp.105-119.

泉州地域メディカルコントロール協議会「救命講習会」・講師担当

大阪府医師会からご依頼をいただき、2023年5月15日(月)泉州南広域消防本部にて、泉州地域メディカルコントロール協議会「救命講習会」で講師を担当させていただきました。「緊急時のコミュニケーション心理学」というテーマで、コミュニケーションの心理学、緊急時の心理、救急隊員・通信指令員のコミュニケーションについて、これまでの研究知見を交え、お話させていただきました。岸和田市消防本部、和泉市消防本部、泉大津市消防本部、貝塚市消防本部、忠岡町消防本部、堺市消防局、泉州南消防組合から89名の消防職員の皆様にご参加いただき、質問やご意見をいただきました。今回のお話が何か少しでも今後の救急活動につながるヒントになればと思います。

夢ナビ講義Video「緊急時に想いを伝える: 119番通報の心理学」公開

夢ナビ講義Video「緊急時に想いを伝える: 119番通報の心理学」が公開されました。

【概要】  目に見えず・形のない心を伝えあうのがコミュニケーション。普段なら、大事なことは時間をかけて何度も伝えることができます。ところが、急病や災害時には限られた時間や手がかりで伝える必要があります。本講義では119番通報の心理学をテーマにお話します。