「研究活動」カテゴリーアーカイブ

論文掲載決定「感情心理学研究」

学術雑誌「感情心理学研究」に論文が掲載されることが決まりました。神戸学院大学の山本恭子先生との共同研究で、顔文字や表情絵文字の返報性の影響を調べた研究です。

木村昌紀・山本恭子  (印刷中).  メール・コミュニケーションにおける顔文字や表情絵文字の交換過程が対人感情に及ぼす影響   感情心理学研究.

【要約】 本研究の目的は,メール・コミュニケーションにおける顔文字や表情絵文字の交換過程が対人感情に及ぼす影響を検討することである。場面想定法を用いて,顔文字や表情絵文字の返報性により対人感情が異なるかを調査した。各研究で用いた場面は,通常のメール交換である遊びの待ち合わせ場面(研究1),自らの非を謝罪し友人から受容される場面(研究2),自らの提案を友人から拒否される場面(研究3)であった。研究1および2では,送信メールに顔文字があるのに受信メールにない場合,ポジティブ感情が喚起されにくく, ネガティブ感情が喚起していた。これらの結果は,返報性の規範に反する顔文字の欠如によるものと考えられた。一方で,研究3では返報性の規範の影響がみられず, 受信メールに表情絵文字がある方がないよりも,ポジティブ感情が喚起され,ネガティブ感情が喚起されなかった。これらの結果から,顔文字や表情絵文字の返報性の規範は,対等状況や受容状況のような協調的なメール交換過程において重要であるのに対して, 拒否状況のような非協調的なメール交換過程では重視されないことが示唆された。

本論文の研究2は渡辺麻友さんの神戸女学院大学2012年度卒業論文に, 研究3は神戸 萌さんの神戸学院大学2009年度卒業論文に基づいたもので, それぞれ本人の許可を得て再分析・再考察を行いました。これらの計画段階において, 研究2は神戸女学院大学の森永康子先生(現所属: 広島大学)から, 研究3は神戸学院大学の三浦麻子先生(現所属: 関西学院大学)からそれぞれご指導を賜りました。その後, 第一著者の指導の下で研究2・3を実施した研究になっています。論文審査過程でも査読者の先生から多くの有益なコメントをいただきました。ここで皆様に感謝申し上げます。

日本社会心理学会第57回大会での発表

2016年9月17日~18日、関西学院大学で開催された日本社会心理学会第57回大会で2件の研究発表を行いました。

1件は、神戸学院大学の毛 新華先生との共同研究で、日本人と中国人の非協調的なコミュニケーションを比較したものです。具体的には、模擬的な葛藤状況を作り出し、実験的に検討を行いました。この研究は科学研究費補助金(代表: 木村昌紀 研究課題番号: 247330525)の助成を受けて行われたものです。

木村昌紀・毛 新華    (2016).     日本人と中国人は葛藤状況のコミュニケーションで何が違うのか?ー行動的役割演技法を用いた実験的アプローチ― 日本社会心理学会第57回大会発表論文集, p.35. 於: 関西学院大学 (9/17/2016).

もう1件は、京都橘大学の塩谷尚正先生との共同研究で、消防機関に対する一般市民の協力意図形成のメカニズムについて、信頼のTCCモデルをもとに検討したものです。

塩谷尚正・木村昌紀 (2016).    消防機関に対する市民の協力意図の規定因―信頼のTCCモデルによる検討― 日本社会心理学会第57回大会発表論文集, p.172. 於: 関西学院大学 (9/17/2016).

科学研究費補助金の採択

2016年度から新たに研究代表者と研究分担者としてそれぞれ科学研究費補助金・基盤(C)の採択をいただきました。

研究代表者分は、神戸学院大学の毛 新華先生、本学・神戸女学院大学の小林知博先生との共同研究です。日本人と中国人による異文化コミュニケーションにおける心理メカニズムを実験的に検討します。

2016年度~2020年度 「日本人と中国人の異文化コミュニケーションに関する実験社会心理学的研究」 (研究課題番号: 16K04276) 木村昌紀(研究代表者)・毛 新華・小林知博 文部科学省:  科学研究費補助金・基盤研究(C)

研究分担者分は、愛知淑徳大学の小川一美先生が代表、大阪経済大学の藤原健先生との共同研究です。対人コミュニケーションに関する知識を整理し、その知識量を測定するテストを開発します。

2016年度~2018年度 「対人コミュニケーションに関する知識量テストの開発」 (研究課題番号: 16K04273) 小川一美(研究代表者)・藤原 健・木村昌紀 文部科学省:  科学研究費補助金・基盤研究(C)

 

論文掲載「ヒューマンサイエンス」

学術雑誌「ヒューマンサイエンス」に、依頼論文が掲載されました。京都橘大学の塩谷尚正先生との共同研究で、119番通報のコミュニケーションを心理学的に考察したものです。

木村昌紀・塩谷尚正 (2016). 緊急通信の心理学ー119番通報で、通報者と通信司令員はどのようにコミュニケーションを行うのか?- ヒューマンサイエンス, 19, 9-16.  [pdf]

13名の研究室メンバーが卒業しました。

2016年3月、13名の研究室メンバーが卒業しました。それぞれの関心に基づいて意欲的な卒業研究を行ってくれました。これからの活躍を祈っております。

藤谷 早希  (FUJIYA Saki)   「人間関係のスタイルによって幸福感の質は違うのか」

福家 由梨  (FUKUYA Yuri)    「説得場面における受け手の感情と希少性メッセージが購買意図に及ぼす影響」

合田 萌  (GODA Moe)   「『お揃い』が恋愛関係に及ぼす影響」

平井 里奈  (HIRAI Rina)  「店舗の種類と言葉遣いが印象形成に   どのような影響を及ぼすか」

本庄 桃子  (HONSHO Momoko)   「SNSへの写真投稿と自己との関連」

五十里 久麗  (IKARI Kurara)   「『目は口ほどにものをいう』のか-目の情報を手がかりにした性格判断の検討-」

石上 優  (ISHIGAMI Yu)   「親友にはすべてを打ち明けるのか」

貝原 真紀  (KAIHARA Maki)  「感情エピソードの会話場面における聞き手の反応のタイミングが話し手に与える影響」

河上 絵理  (KAWAKAMI Eri)    「本当にシャイな人は対人関係において不利なのか」

木原 彩花  (KIHARA Ayaka)    「表情と言語での自己呈示が関係継続動機に及ぼす影響」

小阪 理絵  (KOSAKA Rie)   「電車内の混雑度と車両の種類が社会的迷惑行為の認知に及ぼす影響」

佃 有梨  (TSUKUDA Yuri)   「ダンスサークルにおけるチームへのコミットメントがパフォーマンスに与える影響」

山口 夏実 (YAMAGUCHI Natsumi)  「コミュニケーションツールが自己開示の満足度に及ぼす影響」

編著「対人社会心理学の研究レシピ」出版

このたび、研究法に関する本「対人社会心理学の研究レシピ」が出版されました。木村は、編集および第Ⅲ部Preview  対人コミュニケーションの研究、第10章 対人コミュニケーション・チャネルの理解を担当しています。

大坊郁夫 (監修)  谷口淳一・金政祐司・木村昌紀・石盛真徳 (編) (2016).     対人社会心理学の研究レシピ  ―実験実習の基礎から研究作法まで―  北大路書房 (木村昌紀担当: 編集, 第Ⅲ部 Preview 対人コミュニケーションの研究 p.126-130, 第10章 対人コミュニケーション・チャネルの理解 p.131-143) 

SPSP2016 Teacher/Scholar Travel Awardを受賞

2016年1月28日~30日に北米のカリフォルニア州のサン・ディエゴで開催されたThe 17th annual convention of the Society for Personality and Social Psychology にて、神戸学院大学 人文学部の毛新華講師との共同研究がSPSP Teacher/Scholar Travel Awardを受賞しました。

Xinhua Mao  &  Masanori Kimura (2016).  The Conscious and Behavioral Influences of Chinese Cultural Social Skills Training Programs on Japanese People: The Comparison Between Experimental and Control Group. The 17th annual convention of the Society for Personality and Social Psychology, San Diego, CA, USA. (1/29/2016)

富士通研究所からの受託研究

2015年10月1日~2016年3月31日にかけて「対人コミュニケーションにおけるメディアの役割の検証」という研究テーマで、株式会社 富士通研究所 メディア処理研究所からの受託研究を行うことが決まりました。

日本社会心理学会第56回大会での発表

2015年10月31日~11月1日、東京女子大学で開催された日本社会心理学会第56回大会で2件の研究発表を行いました。

1件は、神戸学院大学の毛 新華先生との共同研究で、日本人と中国人の対人コミュニケーションを比較したものです。今回はとくに言語コミュニケーションに注目した分析を行っています。この研究は科学研究費補助金(代表: 木村昌紀 研究課題番号: 247330525)の助成を受けて行われたものです。

木村昌紀・毛 新華  (2015). 初対面で愛想のいい遠回しな日本人, 親密な友人と本音で議論する中国人―協調的な討論状況における言語コミュニケーションの日本・中国間比較―  日本社会心理学会第56回大会発表論文集, p.177.  於: 東京女子大学 (10/31/2015). 

もう1件も、神戸学院大学の毛 新華先生との共同研究で、中国人特有の社会的スキル・トレーニングを日本人に実施することで、日本人の中国社会適応能力を向上できるかについて実験的に検討したものです。この研究は、科学研究費補助金(代表: 毛 新華 研究課題番号: 15K17260)および平成27年度神戸学院大学人文学部研究推進費の助成を受けて行われたものです。

毛 新華・木村昌紀  (2015). 中国文化要素の社会的スキル・トレーニングが日本人大学生の意識と行動に与える影響 ―実験的アプローチによる検討― 日本社会心理学会第56回大会発表論文集, p.6. 於: 東京女子大学 (10/31/2015). 

日本グループ・ダイナミックス学会第62回大会での発表

2015年10月11日~12日、奈良大学で開催された日本グループ・ダイナミックス学会第62回大会で研究発表を行いました。この研究は、信州大学の長谷川先生と清水先生、広島大学の相馬先生との共同研究です。これは科学研究費補助金(代表: 長谷川孝治 研究課題番号: 25380843)の援助を受けて行われたものです。

長谷川孝治・相馬敏彦・木村昌紀・清水健司 (2015). 自尊心と安心探しが社会的動機づけに及ぼす影響 日本グループ・ダイナミックス学会第62回大会発表論文集, p.40-41. 於: 奈良大学 (10/11/2015).