「研究活動」カテゴリーアーカイブ

中国で開催された国際フォーラムでの講演

2017年3月18日~19日、中華人民共和国遼寧省大連市で開催された 儿童青少年社会性发展与健全人格培养”(児童・青少年の社会性の発達と健全なパーソナリティ育成)国際フォーラム(主催: 遼寧師範大学,大連市心理学会)に参加して、講演を行いました。

木村昌紀  (2017).  人际沟通的中日比较(対人コミュニケーションの中国・日本間比較―中国人と日本人の円滑な交流を目指して―)”儿童青少年社会性发展与健全人格培养”(児童・青少年の社会性の発達と健全なパーソナリティ育成)国際フォーラム, 於: 遼寧師範大学 (03/19/2017)

13名の研究室メンバーが卒業しました。

2017年3月16日、13名の研究室メンバーが卒業しました。個性豊かなメンバーが、それぞれ面白い研究に取り組んでくれました。これからの活躍と健康を祈っております。

橋本 真澄  (HASHIMOTO Masumi) 「きょうだい構成がおしゃれの関心に及ぼす影響」

井下 加菜  (INOSHITA Kana) 「人はなぜ他者からの援助提供を遠慮してしまうのか」

岩井 里沙  (IWAI Risa) 「ネガティブな相談内容を反応豊かな聞き手には開示しにくいのか」

道岡 日向子  (MICHIOKA Hinako) 「非関西弁話者の関西弁は関西弁話者に好まれないのか」

村山 優香  (MURAYAMA Yuka) 「社会的拒絶が自己開示に及ぼす影響」

尾原 真衣  (OHARA Mai) 「なぜ人はネイルをするのか」

置田 真由子 (OKITA Mayuko)  「対人関係の先延ばしにはどのようなパターンがあるのか?」

逢坂 美希  (OSAKA Miki) 「サービス場面における謝罪表出―誠実な謝罪と道具的謝罪の比較―」

高松 絵梨奈  (TAKAMATSU Erina) 「なぜ先延ばしで睡眠を選ぶのか」

樽本 陽子  (TARUMOTO Yoko) 「感動経験が援助行動に及ぼす影響」

渡邊 ちひろ  (WATANABE Chihiro) 「シャイな人は再会した友人に対して抑制的になるのか」

吉田 香帆  (YOSHIDA Kaho) 「妬まれた相手に自己卑下で返すのは効果的なのか?」

吉岡 まりか  (YOSHIOKA Marika)  「無言のタイミングと聞き手の感情が説得に及ぼす効果」

広島社会心理学研究会で発表予定

日時: 2017年3月4日(土) 15:00~18:00
場所: 広島大学東広島キャンパス 総合科学部 事務棟 3階 第一会議室

発表者:  木村昌紀(神戸女学院大学)

発表タイトル:  協調・非協調状況の対人コミュニケーションに関する日本・中国間比較

発表概要:
日本人と中国人の対人コミュニケーションは何が違うのか。この問いに対して、これまで実験的にアプローチしてきた一連の研究成果を発表する。
両国は東アジアの隣国同士で、昨年の訪日中国人数は過去最高を記録した。観光を中心に、留学等を含め、日本人と中国人によるコミュニケーション機会が急速に増加している。円滑な交流を促進するためにも両者のコミュニケーション特徴の共通点と相違点を整理したい。
前半は、協調状況における対人コミュニケーションに焦点を当てる。互いを知り、親密な関係構築を目指す情緒志向的なコミュニケーション場面と、特定のテーマを話し合い、一つの結論を導く課題志向的なコミュニケーション場面を設定し、日本人と中国人それぞれを対象にした比較実験の結果を報告する。表現のスタイルで両者の特徴が確認されたものの、当初予想していたほど両者の明確な相違点は見いだせなかった。
後半は、非協調状況に目を向ける。模擬的に役割分担を行い、一方が依頼してもう一方は断るという葛藤的なコミュニケーション場面と、特定のテーマで対立的な立場から双方が説得を試みる競争的なコミュニケーション場面での比較実験の結果を報告する。日本人と中国人のコミュニケーション特徴の違いは非協調状況下で顕在化する可能性が示唆された。
本発表は毛 新華さん(神戸学院大学)との一連の共同研究をもとに行う。私たちが初めに研究を構想した時から、気がつくともう10年近くになる。試行錯誤の中で少しずつ研究を進めてきたが、いまだ残された課題は多い。皆様からご意見・ご批判をいただき、さらに研究を前進・発展させていきたい。

日本心理学会第79回大会 優秀発表賞の受賞

2015年9月22日に名古屋国際会議場で開催された、日本心理学会第79回大会において発表を行った「友人との共食と痩身願望, 体型が青年期の女性の摂食量に及ぼす影響」が優秀発表賞を受賞しました。この研究は、本研究室OGである甲斐田祥子さんの神戸女学院大学2014年度卒業論文「痩身願望と友人との共食が菓子の摂食量に及ぼす影響」をもとにしたものです。甲斐田さんの承諾のもと、静岡県立大学の山﨑真理子先生とともに、データを再分析及び再考察しました。ここで、意欲的に卒業研究に取り組み、そのデータの再分析・再考察を許可してくれた甲斐田さんに感謝いたします。

木村昌紀・山﨑真理子 (2015). 友人との共食と痩身願望, 体型が青年期の女性の摂食量に及ぼす影響 日本心理学会第79回大会発表論文集, p.138. 於: 名古屋国際会議場 (9/22/2015).

富士通研究所からの受託研究

本年度も昨年度に引き続いて、2016年10月1日~2017年3月31日にかけて「対人コミュニケーションにおけるメディアの役割の検証」という研究テーマで、株式会社 富士通研究所 メディア処理研究所からの受託研究を行います。2年目の受託研究なので、より明確な成果を意識して研究に励みます。

日本グループ・ダイナミックス学会第63回大会での発表

2016年10月9日、九州大学で開催された日本グループ・ダイナミックス学会第63回大会で研究発表を行いました。京都橘大学の塩谷尚正先生との共同研究で、119番通報の経験や知識、通報時の感情状態や通報への抵抗感、通信司令員とのコミュニケーション評価などの基本的な情報とそれらの関連性について、インターネット調査を用いて、20代~60代の各世代・男女別に100名ずつの合計約1000名を対象にして調べた研究です。

木村昌紀・塩谷尚正 (2016).  緊急救命通信における通報者の心理に関する探索的検討  日本グループ・ダイナミックス学会第63回大会発表論文集, p.131-132.  於: 九州大学  (10/9/2016).

論文掲載決定「感情心理学研究」

学術雑誌「感情心理学研究」に論文が掲載されることが決まりました。神戸学院大学の山本恭子先生との共同研究で、顔文字や表情絵文字の返報性の影響を調べた研究です。

木村昌紀・山本恭子  (印刷中).  メール・コミュニケーションにおける顔文字や表情絵文字の交換過程が対人感情に及ぼす影響   感情心理学研究.

【要約】 本研究の目的は,メール・コミュニケーションにおける顔文字や表情絵文字の交換過程が対人感情に及ぼす影響を検討することである。場面想定法を用いて,顔文字や表情絵文字の返報性により対人感情が異なるかを調査した。各研究で用いた場面は,通常のメール交換である遊びの待ち合わせ場面(研究1),自らの非を謝罪し友人から受容される場面(研究2),自らの提案を友人から拒否される場面(研究3)であった。研究1および2では,送信メールに顔文字があるのに受信メールにない場合,ポジティブ感情が喚起されにくく, ネガティブ感情が喚起していた。これらの結果は,返報性の規範に反する顔文字の欠如によるものと考えられた。一方で,研究3では返報性の規範の影響がみられず, 受信メールに表情絵文字がある方がないよりも,ポジティブ感情が喚起され,ネガティブ感情が喚起されなかった。これらの結果から,顔文字や表情絵文字の返報性の規範は,対等状況や受容状況のような協調的なメール交換過程において重要であるのに対して, 拒否状況のような非協調的なメール交換過程では重視されないことが示唆された。

本論文の研究2は渡辺麻友さんの神戸女学院大学2012年度卒業論文に, 研究3は神戸 萌さんの神戸学院大学2009年度卒業論文に基づいたもので, それぞれ本人の許可を得て再分析・再考察を行いました。これらの計画段階において, 研究2は神戸女学院大学の森永康子先生(現所属: 広島大学)から, 研究3は神戸学院大学の三浦麻子先生(現所属: 関西学院大学)からそれぞれご指導を賜りました。その後, 第一著者の指導の下で研究2・3を実施した研究になっています。論文審査過程でも査読者の先生から多くの有益なコメントをいただきました。ここで皆様に感謝申し上げます。

日本社会心理学会第57回大会での発表

2016年9月17日~18日、関西学院大学で開催された日本社会心理学会第57回大会で2件の研究発表を行いました。

1件は、神戸学院大学の毛 新華先生との共同研究で、日本人と中国人の非協調的なコミュニケーションを比較したものです。具体的には、模擬的な葛藤状況を作り出し、実験的に検討を行いました。この研究は科学研究費補助金(代表: 木村昌紀 研究課題番号: 247330525)の助成を受けて行われたものです。

木村昌紀・毛 新華    (2016).     日本人と中国人は葛藤状況のコミュニケーションで何が違うのか?ー行動的役割演技法を用いた実験的アプローチ― 日本社会心理学会第57回大会発表論文集, p.35. 於: 関西学院大学 (9/17/2016).

もう1件は、京都橘大学の塩谷尚正先生との共同研究で、消防機関に対する一般市民の協力意図形成のメカニズムについて、信頼のTCCモデルをもとに検討したものです。

塩谷尚正・木村昌紀 (2016).    消防機関に対する市民の協力意図の規定因―信頼のTCCモデルによる検討― 日本社会心理学会第57回大会発表論文集, p.172. 於: 関西学院大学 (9/17/2016).

科学研究費補助金の採択

2016年度から新たに研究代表者と研究分担者としてそれぞれ科学研究費補助金・基盤(C)の採択をいただきました。

研究代表者分は、神戸学院大学の毛 新華先生、本学・神戸女学院大学の小林知博先生との共同研究です。日本人と中国人による異文化コミュニケーションにおける心理メカニズムを実験的に検討します。

2016年度~2020年度 「日本人と中国人の異文化コミュニケーションに関する実験社会心理学的研究」 (研究課題番号: 16K04276) 木村昌紀(研究代表者)・毛 新華・小林知博 文部科学省:  科学研究費補助金・基盤研究(C)

研究分担者分は、愛知淑徳大学の小川一美先生が代表、大阪経済大学の藤原健先生との共同研究です。対人コミュニケーションに関する知識を整理し、その知識量を測定するテストを開発します。

2016年度~2018年度 「対人コミュニケーションに関する知識量テストの開発」 (研究課題番号: 16K04273) 小川一美(研究代表者)・藤原 健・木村昌紀 文部科学省:  科学研究費補助金・基盤研究(C)

 

論文掲載「ヒューマンサイエンス」

学術雑誌「ヒューマンサイエンス」に、依頼論文が掲載されました。京都橘大学の塩谷尚正先生との共同研究で、119番通報のコミュニケーションを心理学的に考察したものです。

木村昌紀・塩谷尚正 (2016). 緊急通信の心理学ー119番通報で、通報者と通信司令員はどのようにコミュニケーションを行うのか?- ヒューマンサイエンス, 19, 9-16.  [pdf]